2009年住宅ローン減税はどうなる?
2009年以降住宅ローン減税が延長・改訂されました。
大きな改訂内容としては、住宅ローン減税による控除額が160万円から最大500万円に大幅UPされ、魅力を感じている方も多いかと思います。
実際、2009年以降の住宅ローン減税はどうなるのか。
減税を受けるための条件や仕組みについて解説していきたいと思います。
住宅ローン減税の基本的な仕組み
「住宅ローン減税」とは、一定の要件を満たし住宅ローンを利用して、マイホームを購入や増改築を行った場合、所得税の一部が戻ってくる制度です。
≪主な適用条件≫
(A) 控除を受ける年の合計所得(≠年収)金額が3000万円以下であること
(B) 住宅ローンの借入期間10年以上であること。
※親族等からの借入れは対象外です。
(C) 取得後6ヶ月以内に入居し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること
(D) 床面積が50平方メートル以上で、その2分の1以上を居住の用に供していること
(E) 一定の条件に当てはまれば、家のリフォームも控除の対象になる
などなど、他にも細かい条件はありますが、一般的なマイホームを通常のローンを組んで購入する場合には、おおむね要件にあてはまることが多いようです。
ただし、この制度の適用を受けるためには初年度に確定申告を行う必要があります。
サラリーマンの場合には、初年度に申告を行えば、2年目以降は年末調整で税金の還付を受けることができます。
2009年から住宅ローン減税はどう変わる?
「これまでで最大規模の住宅ローン減税を実施する」という麻生首相の言葉通り、2009年の税制改正ではこの住宅ローン控除が大幅に拡充されています。
≪改訂されたポイント≫
○住宅ローンの年末残高が現在の2000万円から5000万円まで引き上げ
○控除期間:10年間
○控除率:年末のローン残高の1%
※通算の最高控除額は、現在の160万円から500万円まで一気に拡大されました。
○個人住民税からも控除される(最高97,500円)
こちらの表をご覧いただくと分かりやすいかとも思います。
2009年~2010年の間に新築されると最大500万円税金が控除されますので、とてもメリットが高いですね。
ただ、最大500万円ですので、すべての方が500万円の税金控除が受けれるわけではありません。
最大控除を受けるためには、
・年末時のローン残高が10年間5000万円以上あること
・一年間に支払う所得税が50万円以上であること。(住民税からの控除は考慮していません)
年収が増えると共に所得税も増えるため、上記の条件を満たせる方は、ご年収が900万円程度以上の方になってきます。(家族構成にもよります)
さて、「一体自分がどのくらいローン減税を受けることができるのか」が気になるところですよね。
具体的な事例で解説してみたいと思います。
例)給与収入500万円、融資残高2,500万円の場合
住宅ローン控除は
2,500万円×1%=25万円
最大25万円の税金が控除(減税)される計算になります。
次に下の源泉徴収票をご覧ください。
サラリーマンの方であれば毎年会社からいただくかと思います。
右上の「源泉徴収税額」をご覧ください。
この額が所得税として納めている額になります。
こちらの票では、218,400円になっています。
控除される税額は25万円ですので、所得税の218,400円全額が控除されて年末調整で返ってきます。
25万円から所得税を引いても、31,600円が控除しきれず残ります。
残った31,600円分が住民税から控除されます。
※住民税は返ってくるのではなく、翌年度分以降の住民税が安くなります。
ご自分の源泉徴収票と照らし合わせながら、ご覧いただくとより具体的な数字が出てくるかと思います。
最後に住民税の控除についての注意点。
住民税は最大97,500円の控除がありますが、源泉徴収税額が97,500円未満の方は、控除できる住民税も同額になってきます。
(住民税控除額=源泉徴収税額 ※最大97,500円)
例えば、融資残高2,500万円で源泉徴収税額が50,000円の場合
住宅ローン控除可能額=25万円 (2500万円×1%)
所得税控除額=5万円(源泉徴収税額)
住民税控除額=5万円(源泉徴収税額と同額)
ローン控除可能額が25万円で、所得税で控除しきれない額が20万円ありますが、実際に住民税から控除される額は所得税額と同じ5万円になります。
マイホームを考える上で、かなり手厚いものとなりそうな住宅ローン控除の制度ですが、どのようなレベルのものになっても、本来の資金計画に無理がないことがポイントであることに変わりはありません。
資金計画は家づくりにとっても重要な部分です。
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